2019/08/08 せん妄の真っ只中4

<2019/08/08> 母ちゃんのメモから引用。

何か書く

<2年後の補足>

この頃良く見たせん妄の続き(たぶんこれで終わり)。

当時自分はICU(集中治療室)に居たらしい。

ICUには自分以外にも当然患者さんはいたのだろうと思うが、いろいろな計測器のアラームが鳴っていたのを覚えている。 アラームはだいたいが鍵盤ハーモニカのような比較的優しい低い音で複数の音階が繰り返し鳴る。 看護師さん達はそれらの音を聞き分け何のアラーム(点滴切れ、バイタル異常等)なのか聞き分けているようだった。

当然アラームは四六時中鳴り響いており、それらの音や慌しく走ってくる看護師さんの足音で目が覚めるのだが、ここでもせん妄を見た。

  • 夜間はカーテンを締めて、照明も落とされるため部屋が暗い(ま、これは普通)。
  • その中で夜勤の看護師さん達は何かがあったらすぐに動けるようパイプ椅子に並べ横に4人、縦に3人くらいで並びまるで長篠の戦い/三段撃ち(諸説あり)のような体制でスタンバイしている。
  • 待機している人は上が尖った三角の目と口だけ開いている黒い帽子をかぶり、あとは黒いマントを羽織っている。

後日そういう人を見たとリハビリのUさんに話したところ「ほんとぉー?すごいねぇ」みたいな感じで言われた。 まぁ向こうにすればそういうことを言う手術直後の人もたくさん見ているだろうし、なんともない、ごくありふれた日常の一コマなのかも知れないが、後日そんなはずないと気づき、恥ずかしさに一人ベッドで枕に顔を埋め足をバタバタさせている自分がいたのは秘密だ。きっと看護師日誌的なものに「黒い看護師(黒魔術+三角眼出し帽)を見たと訳の分からないことを発言」とか記録されており、他のリハビリ担当と情報共有して笑っていたに違いない(被害妄想)。

2019/08/07 小泉新次郎結婚発表 せん妄の真っ只中3

<2019/08/07>

母ちゃんのメモから引用。

09:00 iPhoneを使って何かしようとしている。Wi-Fiでルータにつなごうとしていた。
モバイルルータにつなであげるとSafariを開く。
アイス ガリガリ君を1本食べきった。

<2年後の補足>

とにかく意識は朦朧とし、暑かった。

iPhoneAmazonかネットバンクにつなごうとして、パスワードが分からず、「パスワードをお忘れの方はこちら」的なリンクから手続きをするが、まったくうまく行かず、四苦八苦した覚えがある。そもそもiPhoneの画面が小さくパスワードがちゃんと入力できないし、意識も朦朧としていたのでそのせいでうまく行かなかったのだろう。

小泉新次郎が結婚を発表したこともネット記事で呼んだ覚えがあるので、たぶんこの日だったのだろう。

リハビリのUさんが金属性のカップに入れたガリガリ君を1本食べさせてくれた。 とにかく喉が渇いて仕方なかったので、そんな中ガリガリ君を食べさせてくれたUさんが観音様に見えた。 このUさんには退院までリハビリでお世話になることになる。 ありがとう今でも感謝しています。

この頃良く見たせん妄の続き。

  • なぜか自分はS社の1Fにベッドごと来て(放置されて?)おり、一体なぜ来ているのかも分からないまま長く放置される。
  • 相変わらず天井には梵字のようなものが モヤモヤしながら絶えず形を変えている。
  • S社1Fはパン屋になっており、開店前に多くのパンが入荷しスタッフが一生懸命並べている。
  • そういえば父が見舞いにくるって話だったけどどうなったかな。どこかで探しているんじゃないかな。
  • どれくら時間が経ったか分からないが、今度は東千石町の市立病院(何箇所支所があるんだ!)の軒先兼駐車場(車寄せ)にベッドのまま放置されただただずっと時間だけが過ぎる。母ちゃんがiPhoneに入れてくれた漫才のMP3を聞くだけ。ただただ終わりの無い放置。

2019/08/06 せん妄の真っ只中2

<2019/08/06>

母ちゃんのメモから引用。

半座位になっている。足を洗ってもらった。アイス30ml、ゼリー30ml食べる。
嚥下は大丈夫だが途中で反応が止まってしまう。
鎮痛剤と胃薬を入れてる。
血圧 156/86。

<2年後の補足>

あまりよく覚えていない。 母ちゃんの話によると、この頃歯科医or歯科衛生士さんが来て虫歯の有無をチェックしていったらしい。

栄養補給が点滴から食事に切り替わる前のチェックだったのだろう。

この頃良く見たせん妄の続き。

  • 何か自転車ロードレースのイベントが鹿児島であったようで、競技に参加する黒の全身タイツを着た多くの選手が通り過ぎていく。途中中国雑技談のようなアクロバティックな乗り方や組体操みたいなのをしている人たちもいる。なぜか自分も参加することになっており(もうこの時点で意味不明)、それらの参加手続きのためか、前夜祭のためか競技が主催されるらしき場所を夜間右往左往する。しかも自分はベッドの上にいる。
  • 途中トイレに行きたくなるが、なかなかトイレが見つからず(あるいは他の人が使用中で)、排尿できず。そこにかつてG社にいたSさんが出てきて(このSさんはG社退職後、老健施設などで介護要員で働いていた)、「おしっこはオムツの中にすればいいですよ」と軽く言ってくれて、ちょっとカチンとくる。いやSさんが出てきたのは、単に介護要員として働いたことがあっただけで、そういう形で登場したのだろうがそれで暫くSさんが嫌いになる。Sさんごめん。

2019/08/05 せん妄の真っ只中

2019/08/05

母ちゃんのメモから引用。

頭痛いと言う。何か言っているが(声が)小さく聞き取れない。
いびきをかいて寝始める。血圧 153/101。ちょっと下がる。
ガリガリくんを数口食べる。
看護師さんが(体を)強くゆするの辞めて欲しい。
シナプスTさんのこと。サザンの歌を口ずさむ。
睡眠剤があまり効果ないようだ。

<2年後の補足>

とにかく頭が痛かった。(記憶違いかも知れないが)看護師さんが両肩をつかみ「○○さん、○○さん」と揺らして起こすのがいやだった。頭がガンガンした。

この頃せん妄もよく見た。

  • 病室の天井に横長の蛍光灯が狭い間隔で3つ有り、その3つを覆うように梵字のような黒いモヤモヤが現れ、絶えず形を変えていた。最近の病院はこうなっているんだと妙に感心/納得したのを覚えている。
  • いつの頃からか、ベッドの上から見える外の風景から、自分が東桜島鹿児島市立病院の支所的なところにいると思っていた。看護師さんの「ここはどこ?」の質問の「東桜島の市立病院」と答えていた時期があった。看護師さんの看護記録にはそれも残っているのだろう。今思えば恥ずかしいが、本当にそう思っていた。
  • 「東桜島の市立病院」は小高い丘の上にあり、地階の中にトンネルがあり、列車がゆっくりと走っていた。ずいぶん暗い狭い湿り気多めのトンネルだったと思う。しかし市立病院利用者が使える駅はなかった。単に列車が通過するためのトンネルだった。
  • ベッドに寝ている自分から見える景色に、輸液(点滴)のバッグがあったがその中に15cm~20cmくらいの黒いトカゲのような爬虫類的なものが入っていた。それは干物のようなものではなく生に近いものだったと思う。「あぁ今の自分はこういうのも必要なんだ。滋養強壮には効きそうだな。でもこの1袋でいくらお金がかかるんだろう」と思った。これについては後に主治医の先生に聞くとそんな点滴は使っていない、そういうものはない、と断言された。じゃぁあれは幻だったんだ、せん妄というものがあるんだ理解したのは随分あとのこと。

2019/08/04 頭痛い

2019/08/04

母ちゃんのメモから引用。

09:15 頭痛い。Gちゃん、Cちゃんは?
M社のロッカーのこと、夏祭りのこと。
お父さんは来ないか?ということ。

<2年後の補足>

自分が入院している間子供のことも気になった。

M社ロッカーのことは分からない。ロッカーは割り当てて貰っていたが、ほとんど使っていなかった。 夏祭りについても既に終っていた話で何を話したのかも想像がつかない。

私は私の実家との付き合い(お盆やお正月などの調整)はほとんど私がやっていて、母ちゃんにして貰うことはほとんどなかったが、実家にも私が入院した旨連絡をしてくれていたようだ。そうなるとフットワークの軽い父がいつ見舞いにくるか(しかし実家から鹿児島市立病院までは片道50km近くあるというのも含めて)気になったのだろう。